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[L4] 翻译:梦幻模拟战4 Image Story《基扎洛夫传》

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发表于 2017-5-7 23:04 | 显示全部楼层 |阅读模式
译者:zainian
来源:百度梦战吧

ラングリッサー4 イメージストーリー

闇のはじまりへ

 空は溶けた鉛を流したかのように陽の光を遮っていた。
「何という空だ。まるで俺の心を映し出しているようだな‥‥」
 男は山道を歩きながらそう呟いた。
 彼の服装を一言で言い表すならば、兵士、という言葉で十分である。
 擦り切れてボロボロになった革の鎧は、肩当てさえなく、腰を守る垂さえなくなっている。
 足は普通の履き物で、薮など歩こうものならすぐにすねを傷つけそうだ。おまけに手にした剣は所々刃がこぼれ、先端が折れていた。
 およそ騎士などの称号とは縁もなさそうな階級の、どこから見ても勝利兵には見えない兵だった。
「今は命があっただけでも、良かったと思うべきか‥‥」
 まだ二十代になりたてのこの男は自分の国が連邦軍に攻め込まれた際に行われた募集で兵になった。
 ここで一旗あげれば、貧乏な暮らしから開放されるチャンスだった。彼には人よりも秀でた剣術の才能があったし、魔法の才能さえあった。
 だが貧しい家は町の剣術道場や魔法学校に通うことを許さず、その才能は人知れず埋もれてゆくところだった。
 兵として実戦に出れば、それらを証明し、自分をアピールするチャンスが得られるはずだった。
 事実、彼は戦場ではかなりの功績を上げた。あと少しで、彼にも役職が与えられるであろうところまできていた。
 だが、仕える国が負けてしまっては、その努力も水泡に帰すだけであった。
 そのあとは容赦のない落ち武者狩りで、一転して逃げ回るだけの生活が待っていた。
「俺には運というものがないに違いない。きっと見たこともない父親が、母親に自分を宿らせて姿をくらました際に持ち去ってしまったに違いない」
 男は山道を進む歩調を緩めもせず、肩で息をしながら呟き続けた。
「母親だってあれほど高い薬を飲ませたのに、俺が苦労して薬を買い与えたのに、死んでしまったではないか!だったら俺のあの苦労は何だったのだ!何のために俺は苦労したのか!死ぬとわかっていても、苦労をしなければならないのか!俺には運などない!神の祝福は平等などではない!絶対に平等という言葉はない!」
 男はいつしか走り出していた。並みの者なら倒れてもおかしくないほどの披露した体で、それでも駆け出していた。
 今、男のからだを支えているのはひたすらに怒りと恨み、すべて負の感情であった。

 突如上空から大気を切り裂く、甲高い音が聞こえ始めた。男はその音に反射的に立ち止まり、宙を睨んだ。
 だが飛来音は男の予測をはるかに越えていたのだろう、次の瞬間には男の前方に爆発が起こった。
 その爆風に男は山肌にしこたま体を打ち付けられた。そのまま今来た道をかなり転げ戻される。
 ようやく体の動きが止まった時には、かなりの距離を押し戻されていた。
「クソッ!やっぱり運なんて、ありゃしねぇ!」
 男は口の中に入り込んだ砂利を吐き出しながら、よろける足で立ちあがると、恐怖よりは興味の視線で爆心を見据えた。
 爆心地はまだ土煙がもうもうと立ち込め、全貌を窺い知ることはできなかった。
 男はそのまま爆心地へ降りてゆく。まだあたりはむせるような熱気を持っていたが、この熱の正体が大気との摩擦熱と、衝突の衝撃であることは教養のないこの男には知る由もなかった。
 その中心にやってきたとき、唐突にこぶしほどの固まりが浮かび上がり、彼の目の高さで停止した。
「な、何だ、これは‥‥」
 表面は黒水晶のような材質だが、その内側には黒い炎が小さくゆれている。
 見つめているだけで得体の知れない魔力に、体のしんから震えがおきる。いつしか彼の額には脂汗が浮かび上がっていた。
 それでも生唾を一度飲み込むと、意を決したようにその黒水晶に手をのばした。
『おい、お前‥‥』
 あと少しで水晶に手が触れるというその時、水晶のうちの黒い炎が大きくなり、同時に声が響いた。男は慌てて手を引き戻し、先の折れた剣を構えた。
『何をおびえている。誰もお前に危害を加えようというのではない』
 その淡々とした声は耳ではなく、直接頭に響いてくる。耳をふさいだとしても聞こえてくる声だ。
「だ、誰だ!?」
『我が名はゲンドラシル。貴様らの言う所の邪神だ』
「邪神‥‥?」
『そうとも。貴様らが光の神と闇の神を分けて呼ぶときにもちいる、邪なる神。本来神とて貴様ら人間のように善悪だけでは判断できるものではないのだがな』
「その邪神がどうしてこんなところにいる?何が目的だ?」
『目的‥‥か』
 何かしら思案気な声で邪神は呟くように言った。もしこの水晶に目があるのなら、遠くを見るように細められていたことだろう。
『お前の為になりに来た、と言ったら気に入ってもらえるかな?』
「俺のため?」
 男は予想外の答えに拍子抜けし、構えていた剣を降ろした。
「邪神が俺のためにやってきたって?そんな馬鹿な話、どうやって信じろという?」
『信じる信じないはお前の勝手だが、力がほしいとは思わぬか?見ればお前からは不幸の匂いがプンプンするぞ。これをチャンスだと思わぬか?お前は多くの才能を持ちながら、その才能を開花させる機会さえ与えられなかった。だがそれもここで終わりだ。我れがお前の才能を引き出し、更に今以上の力を授けよう』
 心の中を見透かされたようなこの言葉に、彼は少々うろたえた。だが、もしこの声が言うように、自分に力がそなわるのなら、この幸運とはかけ離れた人生に終止符を打つことが出来るかもしれない。いや、この出会いこそが今までの不運を帳消しに出来るほどの幸運の始まりなのかもしれない。
「本当に力が手に入るというのなら、信じよう」
『それでこそ賢い選択というもの。お前にはまれに見る才能がある。さあ、手を伸ばし、我れを手に入れよ!』
 手を伸ばす男にためらいはなかった。しっかりとした動作で手を伸ばすと、宙に浮いたままの黒水晶を握った。
「グウゥッ‥‥」
 黒水晶を握った直後、落雷に打たれたような衝撃が体を駆け抜け、まだ冷めやらぬ水晶の熱が右掌を焦がした。あたりに人肉の焦げる匂いがたちこめる。だがうめきをもらした男はそれさえ気づかぬ様子で、口元にうすく笑みを浮かべる。
「これが力か。確かに、己の内に今までにない物を感じる」
 その眼光からは世の全てを怨むようなぎらつきは消え、逆に世の全てを見下すような青白い炎がゆれていた。
『もはやこの地上で貴様にかなう者はおるまい。‥‥そう言えば、貴様の名をまだ聞いていなかったな。これから世界を統べるパートナーの名を』
「俺か‥‥」
 やがて自信に満ちた声が、誰もいないクレーターに静かに響く。
「俺の名は、ギザロフ‥‥」

(1997/5/22 Y.HADUKI (C)キャリアソフト)
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发表于 2020-8-14 15:01 | 显示全部楼层
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